未成年者からの古物の買取について

東京都のほか、多くの自治体で青少年育成条例があり、未成年者からの古物の買取を規制していることがあります。

こうした自治体に営業所がある場合には、未成年者から古物を買い取る場合には、保護者に同伴してもらうか、または両親からの同意書の交付を受ける必要があります。

この条例にかかわらず、古物の買取をしてしまうと、30万円以下の罰金刑に処せられる場合があります。

東京都青少年の健全な育成に関する条例こうした条例は多くの自治体にある

(質受け及び古物買受けの制限)

第十五条 質屋(質屋営業法(昭和二十五年法律第百五十八号)第一条第二項に規定する質屋をいう。以下同じ。)は、青少年から物品(次条第一項に規定する物を除く。)を質に取つて金銭を貸し付けてはならない。
2 古物商(古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第二条第三項に規定する古物商をいう。以下同じ。)は、青少年から古物(次条第一項に規定する物を除く。)を買い受けてはならない。
3 前二項の規定は、青少年が保護者の委託を受け、又は保護者の同行若しくは同意を得て、物品の質入れ又は古物の売却をするものと認められるときは、適用しない。
4 何人も、正当な理由がある場合を除き、青少年から質入れ又は古物の売却の委託を受けないように努めなければならない。

問題になるケース

さて、問題になるのは古物台帳に記載しない・本人確認をやらないで古物の買取をしてしまうケースです。

たとえば、親の宝石を盗んだ子供が、東京都の古物商にその宝石の買取を求めて来店して、古物商が本人確認もせずに漫然とその宝石を買い取ってしまったケースを想定しましょう。

この場合は、古物商は3つのルール違反をしていることになります。

  • 本人確認義務違反
  • 古物台帳記載義務違反
  • 東京都未成年者育成条例違反

そして、後日親が警察官を連れて宝石の返還を求めてきた場合、上記3つの義務違反が警察官に知れるところとなり、摘発の対象となる可能性が非常に高くなります。

さらに、古物商には親の宝石の返還義務があります。なぜならば、親権者には子供が行った取引の同意権限及び取り消し権限があるため、同意なくして子が行った取引行為について、親権者は取引の取り消し権を有するからです。

そして、もし古物商がすでに宝石を転売している場合には、損害賠償責任をおうことになります。

このように、未成年者から古物を買い取ったばかりに、時に古物商は民事及び刑事責任を追及されることがあります。しかし、こうした危険は日ごろから古物商としての義務を十分に果たしていれば当然に回避できるものばかりですから、本人確認義務・古物台帳記載義務はしっかり守って営業をすることが非常に大切です。