古物商許可を受けるには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

1.営業所を設けること

古物商許可を受けるには必ず主たる営業所を置く必要があります。現在は営業所なしでの申請は受付をしてもらえません。
複数の営業所がある場合は、一か所を主たる営業所とします。古物営業法の規制は古物の買取を規制して盗品の流通を抑止する制度ですから、営業所は古物の買取を行う営業である必要があります。法人であれば本社を主たる営業所とするのが一般的ですが、本社以外を主たる営業所とすることも可能です。
古物商許可を受けた後の変更手続き等は主たる営業所の所在地を管轄する警察署を経由して行いますから、古物営業に関する事務処理について責任がある部署がある営業所とするのがよいでしょう。

2.管理者を置くこと

各営業所には常勤の管理者1名を置く必要がありますが、複数の営業所で管理者を兼任することは認められません。
代表者取締役は管理者と兼任することは可能ですが、監査役は会社と雇用関係にありませんから、管理者とすることはできません。

管理者は営業所に常勤する必要がありますが、この常勤性は管理者の住所地で判断されます。したがって、営業所の通勤できないような場所に管理者の住所がある場合は、管理者とすることができません。
単身赴任をしている場合のように住民票の住所と実際の居所が異なる場合は、居所に居住していることが確認できる資料(公共料金の請求書や郵便物のコピー等)を別途提出する必要があります。

古物営業の管理者に実務経験や資格は求められません。
しかし、管理者は盗品の買取を行わないよう従業員を監督するとともに、警察官から古物営業について質問をされたときに適切に回答する必要があるため、古物の買取りの実務に精通した方を管理者として配置する必要があります。

古物営業法第13条は、古物商は、管理者に対し、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要とされる一定の知識、技術又は経験を得させるよう努めなければならないとされています。

3 古物商又は古物市場主は、管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験を得させるよう努めなければならない。

古物営業法第13条

さらに、、古物営業法施行規則では、自動車、自動二輪車又は原動機付自転車の買取を行う営業所の管理者については、上記の知識は「古物営業の業務に3年以上従事した者、あるいは一般社団法人又は一般財団法人その他の団体が行う講習の受講その他の方法により得ることができるものとする」と定めています。

(管理者に得させる知識等)
第十四条 法第十三条第三項の国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験は、自動車、自動二輪車又は原動機付自転車を取り扱う営業所又は古物市場の管理者については、不正品の疑いがある自動車、自動二輪車又は原動機付自転車の車体、車台番号打刻部分等における改造等の有無並びに改造等がある場合にはその態様及び程度を判定するために必要とされる知識、技術又は経験であって、当該知識、技術又は経験を必要とする古物営業の業務に三年以上従事した者が通常有し、一般社団法人又は一般財団法人その他の団体が行う講習の受講その他の方法により得ることができるものとする。

古物営業法施行規則

過去当事務所が取り扱いをした案件で、上記の知識がないことを理由に許可を受けることができなかったというケースがありませんが、本来、管理者は一定の知識や経験を備えた方が就任するべきであることはおさえておきましょう。

3.欠格事由に該当しないこと(申請者本人・法人役員・管理者)

欠格事由
申請者(代表取締役や事業主)、役員、管理者が欠格事由に該当すると古物商許可を取得することができません。
欠格事由についてはこちらののリンク先をご覧ください。